長田公設市場は、神戸でも起こった米騒動を契機に、長田の人々の生活を安定させる役割を担い、大正11年11月に設立されました。専門性の高い商店が集い、切磋琢磨して営業を続けた市場は、戦災や火災といった危機から何度も立ち直り、長田神社前地域を代表する商業施設として発展してきました。
昭和という激動の時代を乗り越え、新しい路線を模索してセルフ化を目指した結果、平成4年3月に共同店舗による食品スーパーとして誕生したのが、「NAGATA食遊館」です。「食文化の社交場」をテーマに、時代の流れにマッチしたお客様に愛されるショッピングセンターを目指して努力することで、地域の方々から厚い信頼と支持を得てきました。阪神淡路大震災ではビルが全壊するという壊滅的被害をうけながらも、組合員一同力をあわせることで、平成9年には再建を果たし、復興後はますますその業績を伸ばしています。
もともと市場の専門店が肉、魚、野菜等の各部門を担当しており、それぞれがこれまで培ってきた経験とノウハウを活かすことで、多様なニーズにお応えできる自慢の品揃えを実現しています。このような商品を仕入れ担当者が自ら販売することで、細かな気遣いをもってお客様のご要望に対応できることが、大手量販店にはない食遊館の強みだと考えています。さらに定期的な会合では、商売をする上での悩みや喜びをみんなで共有し、ショッピングセンターを運営するための連帯感を育んできました。
現在の市場の多くは他業態の商業施設との競争や後継者不足といった苦境に立たされており、かつて持っていた専門店としての自信と誇りを失ってしまっています。食遊館では組合員が協力して小さな成功を積み重ねることでこれを取り戻し、新しい市場の形を全国の仲間達に示すことを夢見ています。 |