「田中青果店」は70有余年営業を続け、店の風貌が丸五市場と共に歩んだ歴史を物語っている。店頭には商品を選びやすいように、段々畑のように野菜が並べられている。
創業当時と変わらない、昔ながらの八百屋のスタイルをそのままを引き継ぎ、常連客に愛されながら営業を続ける姿が、真面目に商売を続けて行くことの大切さを、近頃丸五市場内に増えている新しい店へと伝えている。震災時には商店主としてできることを考えた結果、中央卸売市場でできるだけ多くの野菜を仕入れ、地域の病院へ無償提供をしに走り回るなど、地域や常連客へ尽くした。
店頭に並ぶ新鮮な野菜は、地域の消費者に合わせて仕入れられたもの。例えば新長田界隈は、韓国の人が多く住む地域であることから、キムチに適した白菜を多く揃えている。美味しく野菜を食べてもらえるように「大きい方?小さい方?」「硬い方?柔らかい方?」など、買い物客とのコミュニケーションを欠かすことはない。
この店で毎日見られるコミュニケーションが、市場と地域の繋がりを支えているのだ。